概要
大阪産業大学は、大学のある大東市で活躍できる人材育成を目的とした「地元のEもん・Aとこづくりプロジェクト」に取り組んでおり、工学部・建築環境デザイン学科の学生が中心となって「地域(地元)ブランド」づくりを実践しています。私たちは、そのプロジェクトのドキュメントブック制作をお手伝いをすることになり、「本はどうやってできるの?(印刷のしくみを知る)」「地域のアイデンティティをつくる(コンセプトの重要性を知る)」「ドキュメントブックデザイン(編集、デザインの基礎を学ぶ)」という3つのプログラムを実施しました。
プロセス
プログラム①
「本はどうやってできるの?(印刷のしくみを知る)」
スライドを使って印刷のしくみを一通り説明した後、ルーペ(拡大鏡)で印刷物を見てもらいました。すると学生からは「小さい点がいっぱいある!」「チラシってこんな風にできてるんだ」といった驚きの声が。
実際に印刷工場を見学。印刷に使用される紙一巻きの長さが10kmになるものもあるということ、真っ白の紙が印刷物としてできあがっていくまでの手間の多さなどを知った学生の方たちからは「身近なモノへの見方が変わりました」という声も聞かれました。
プログラム②
「地域のアイデンティティをつくる」(コンセプトの重要性を知る)
地域づくりの事例、既存のTVCMなど見て、それぞれがどう感じたかをディスカッション。その後、自分たちのプロジェクトに置き換えて目的の再確認、表現方法を考えてみるというプログラムを行いました。
プログラム③
ドキュメントブックデザイン(編集、デザインの基礎を学ぶ)
さまざまな媒体の構造をリサーチし、それぞれのコミュニケーション手法の違いや、違いを生む社会背景や技術の進歩といった要因についても学ぶプログラムを実施。
基本的なデザインのルールは次の5つとしました。
- 情報の整理(優先順位を決める)
- 近隣と遠隔(余白の使い方で情報を整理する)
- ライン(画像、テキストの形を整える)
- 文字(字体でイメージが変わる。文の長さで、文章に抑揚をつける)
- 色(色と人の心理の関係、明度と彩度で情報を差別化)
成果
プログラムを終えた学生たちからは次のような声をいただくことができました。「内輪では教えてくれないことを知ることができてうれしかった。これを活かして自分たちのプロジェクトにオリジナリティを出していきたい」「何かを作るときに目的を後回しにし、どう表現するかを先に考えてしまっていました。誰に何を伝えたいのかを考えていないので、結局最後にどうしようって迷って悩んでしまう」「何をやるプロジェクトなのか? 地元のええものを伝えていくプロジェクトだけど、本当に何をやっているのか? コンセプトから共有する必要性を感じました。また、今まで色々な活動をしてきたけど、次にどうすべきかということを考えるようになりました」
地元のEもん・Aとこづくりプロジェクト Facebookページ(外部リンク)